コラム

「自分らしく働くための企業文化」
機能と注意点と浸透させる方法

自分らしく働くための企業文化社員1人1人の行動によって形作られる企業文化企業文化の2つの機能企業文化の注意点企業文化をさらに浸透させる4つのプロセス豊かな表情を伝える求人メディアを目指して

自分らしく働くための企業文化

会社を伝えるというよりも、会社の性格を伝えるような、そんな求人でありたい。人を通じて企業文化を伝えるヒトデには、こんな想いがある。お給料よりも、雇用条件よりも、企業文化に共感できるかどうか。これが自分らしく働くために最も大切なこと。ここでふと疑問に感じる人もいるだろう。「そもそも企業文化って、なに?」改めて企業文化を紐解くと、新しい発見と共に「やはり、自分らしく働くために、企業文化は大切だ」と再認識させられた。

社員11人の行動によって形作られる企業文化

私たちは社会の行動様式ないし生活様式の総体を、「文化」と呼んでいる。つまり、私たちの11つの行動の集積が「文化」であり、社会の礎を築いている。そして、それは人々の価値観や、道徳・倫理に基づく行動規範と強く影響し合うものだ。

企業文化も同様。社員11人の行動が企業文化を築き、会社の価値観や行動規範と相互に影響し合っている。企業文化ならではの特徴を挙げるとするなら、それを形成するために、経営者がビジョンや価値観等を意図的に示す(あるいは強いリーダーシップを持って、それを遂行する)ケースがあることだろう。その場合でも、そうした声明を文化にまで押し上げるのは、社員11人の行動の集積。それぞれの価値観や考え方からくる行動の11つが、企業文化の目鼻立ちをはっきりさせていく。そうしたプロセスこそが、「企業文化は企業の性格」と言われる所以だろう。社員11人の行動によって形作られる企業文化は、どの会社にも必ず存在する。しかし、その強度や一貫性については、会社間で差があり、どれ1つとっても同じであることはない。企業の数だけ、企業文化もある。人間の性格とおんなじ。

企業文化の2つの機能

企業文化の機能は様々ある。中でも重要なものは「働きやすさの向上」と「意思決定の拠り所」という2つの機能だろう。

気の合う仲間と食事するような、心地の良い共感

企業文化は、社員の働きやすさに大きく影響する。「トップが強いリーダーシップを発揮する」「若手が大きな裁量を持てる」「社員のプライベート時間を大切にしてくれる」「プライベートと仕事が重なり合っている」様々ある企業文化に、社員が共感できるかどうかは、それぞれが生き生きと働けるかを左右する大切な事柄だ。自分と気の合う仲間同士の食事が心地良いのと同じように、企業文化に共感し合う仲間との仕事は心地良い。

企業文化への共感に基づく働きやすさは、社員を採用する段階から醸成することができる。自社の文化を積極的にPRする、あるいは面接等で文化にマッチする人材かどうかを見極める。こうしたプロセスは、企業文化に共感する人材を集め、さらに自社の文化を色濃くしていく。ひいては、社員11人が生き生きと働く職場に繋がる。やりがいや働きやすさを感じる社員はやめない。人材も育つし、さらなる共感人材を採用しやすくもなる。企業文化を中心にしたプラスの循環だ。

その企業たらしめる意思決定の素

人生は意思決定の連続。ランチのメニューや着る服、自分の働く会社など、大なり小なりあれど、人は全てを選択している。選択の蓄積が、その人をその人たらしめているのだろう。会社も同じ。無数の意思決定によって、会社としての体をなしている。その意思決定のバックボーンにあるのが企業文化。多くの人が働く会社組織の中で、それぞれの意識決定の集積こそが企業文化そものものである。さらに言うならば、企業文化の顔立ちがはっきりしてくると、それぞれの意思決定も「自社らしさ」を念頭に置いたものに変化していく。こうして、その企業たらしめる意思決定がさらに積み上がっていく。

自覚的であることが、機能を最大化する

働きやすさと意思決定。企業文化に宿る2つの機能。どちらも会社を健全に運営していくためには欠かせない。こうした機能を効果的に活用するためには、自社の企業文化に自覚的であることが必要だ。行動の集積である文化には、姿形があるわけではない。しかし、それを自覚的に捉えて、言葉や仕組みなどで見える化する。アメリカのネット通販企業で熱狂的なファンを生んでいるザッポスが、「コアバリュー」と題して示している価値基準もそのプロセスの一貫だろう。経営陣のみならず、社員11人が自社の企業文化について自覚的であることが、それの持つ機能を最大限に発揮させる要因となる。

企業文化の注意点

企業文化を考えるうえで注意すべきことは、過剰なそれは、排他的になりかねないということだ。その企業たらしめている企業文化は、それに共感する人材とのマッチングにも活用できる。企業から滲み出る企業文化に反応する人材の応募。「自社の文化に合うか」という採用基準。様々なレイヤーで、自社にマッチする人材をフィルタリングできる。一方、こうしたフィルタリングも度が過ぎると、排他的な体制が生まれかねない。過剰な身内感は、時として閉鎖的な印象を持たれることもある。共感のある人材を集めることは重要。その一方で、アクが強過ぎても採用機会を損失することになる。機能と注意点を理解したうえで、企業文化と対峙することが大切だ。

企業文化をさらに浸透させる4つのプロセス

企業文化は、11人の行動の集積である。それを体系づけたり、浸透させることができれば、その機能を、より活かすことができる。企業文化の浸透には、4つのプロセスが必要とされている。「明文化」「繰り返し伝える」「落とし込む訓練」「報いる仕組み」。

無形なものに「文字」を与えて有形にする

まずは明文化。会社内で暗黙知とされていた企業文化に言葉を与え、社員11人の共通認識として体系づけることから始まる。ビジョンやコアバリュー、クレドなど、会社によって表し方は様々だが、それぞれが企業文化を明文化したもの。文化という無形なものを、文字を通じて有形にし、共有を図る。文化浸透の1歩目は、例外なくこうした明文化から始まる。

根気強く、何度も伝える

次に必要なのは、伝えるプロセス。社員とのコミュニケーションと言い換えてもいい。HPやオフィスに掲げることはもちろん、携帯できる冊子や朝礼での復唱など、会社によって様々な工夫が凝らされている。リーダーから社員へ伝える、あるいは社員同士で伝え合う場合もある。いずれにしても、繰り返し行う根気強さが必要だろう。企業文化は、自然に浸透するものではない。何度も伝え続けるという、地道なプロセスを省略することはできない。

体質づくりのための教育・練習

明文化して、伝える。次に大切なのは、企業文化を基に意思決定ができる体質づくり。「企業文化が機能する」ということは、「それを基にした意思決定がなされる」ということと同義。社員全員が口ずさめるようになることが目的ではない。会社の中にある無数の意思決定が、「自社らしさ」を高め、企業活動をさらに円滑にする。企業文化はこうした健全な循環の中心にあって初めて、本来の機能を発揮できていると言える。社員11人が企業文化を基に意思決定するためには、そうした体つきになるための教育・練習の場が必要だ。

JALフィロソフィ」という文化の浸透に、全社的に取り組むJALでは、社員同士のコミュニケーションの場を定期的に設けているという。「JALフィロソフィ教育」と呼ばれるこの機会には、様々なポジションの社員が横断的に集まり、「今考えるべきこと」などのテーマを企業文化に即して考えることが行われている。手帳を配布したり、朝礼で確認しあったりするだけでなく、企業文化を基に考える練習の場を設けることで、企業文化に対する理解度がさらに深まり、実際の現場でもそれを基にした意思決定が生まれやすい組織づくりに繋がっている。

持続可能にするための「報いる仕組み」

企業文化を基に意思決定した社員の働きに報いる仕組みも大切。この仕組みは報酬に反映させるということだけでなく、会社内での承認という方法でも実現できる。企業文化に基づく意思決定は、必ずしも業績に反映されるものではない。短期的には利益にならないことや、時には利益を削る意思決定がなされることもあるだろう。この時、それに報いる方法として、報酬を上げるという選択肢だけでは、持続可能な仕組みとは言い難い。社内報で賞賛したり、社長賞を設けたり、承認の方法は様々。いかにリスクを少なくして、社員の意思決定に報いるか。こうした仕組みの確立が、企業文化の浸透を持続可能なものにする。

豊かな表情を伝える求人メディアを目指して

「明文化」「伝える」「教育・訓練」「報いる仕組み」4つのプロセスを経て、企業文化は社員へと浸透していく。社員へ浸透した文化は、目鼻立ちがはっきりとし、豊かな表情や個性を発揮するようなるだろう。すると、「働きやすさ」や「意思決定」のような機能も役目を果たし始める。ヒトデは、こうした「企業文化」を丁寧に伝えるメディアでありたいと思う。人が生き生きと働くためには、企業文化への共感は必要不可欠だから。そのために、そこで働く人を丁寧に伝える。どんな人たちが、どんな働き方をして、どんな評価を受けているのか。これまでの求人票には載らなかった「企業文化」を、これからも丁寧に伝えていきたい。

(2017.11.3 秋吉直樹)

参考
三省堂 大辞林
https://www.weblio.jp/content/%E6%96%87%E5%8C%96
ビズヒント
https://bizhint.jp/keyword/14248
プレジデントオンライン
http://president.jp/articles/-/3156
サイバーユニバーシティ
http://biz.cyber-u.ac.jp/blog/3188/
ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%96%87%E5%8C%96
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96
ことバンク
https://kotobank.jp/word/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%96%87%E5%8C%96-169161
ハーバードビジネスレビュー
http://www.dhbr.net/articles/-/2232?page=2
industry-co-creation
https://industry-co-creation.com/management/585
ソーシャルチェンジ
https://kuranuki.sonicgarden.jp/2014/03/%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%96%87%E5%8C%96.html
企業文化研究所
http://culture-study.com/culture_basic/what_is_corporate_culture/
LIG
https://liginc.co.jp/life/useful-info/76951
Berlitz Global Blog.
http://www.berlitz-globalblog.com/vision
worksight「JALフィロソフィ」を全社員の腹に落とす教育とは
https://www.worksight.jp/issues/83.html