中の人日記

「日本とアメリカ 文化の違いが生み出す、 就職活動 の違い」
ヒトデの中の人日記

これまで300人以上にインタビュー し、色んな暮らし方や生き方に触れてきたヒトデの秋吉が綴る日記です。どうぞご覧ください。読んでくれた方の「働く」という価値観の幅が、ちょっとだけ拡がるかもしれません。

 

日本とアメリカ、就活の違い/日本の就活/アメリカの就活/根付く文化による違い

日本とアメリカ、就活の違い

6月1日、目の色が変わる。学生は自分の乗る船を、企業は乗組員を血眼で探し始める。社会という大海原を、たくましく進むための就職活動が幕をあける日だ。同じ色のリクルートスーツを身にまとった就活生が、緊張した面持ちで街を歩く姿は、桜や花火同様、「あぁ、もうそんな時期か」と思わせる風物詩となっている。日本の就活文化のど真ん中にある「新卒一括採用」。コネクションによる採用が少ないことや、広い間口を設けていることから、フェアな就職スタイルと評価される一方で、学業よりも就活が優先されたり、没個性を助長させてしまうといった課題も見られる。世界はどうか。日本の理想の就活スタイルとは何だろうかと、思いを巡らせていた時、はたと知りたくなった世界の就活事情。世界の就職文化を知ることが、日本の就活文化への理解をさらに深め、それの向上に繋がるのではないか。そんな期待も込めて、世界の就活事情について、まとめていきたい。まずは、日本とアメリカの就活について、それぞれまとめた。

日本の就活

1918年「大学令」で増加した大学生による買い手市場において、各企業が入社試験等で、学生を選定し始めたことがきっかけと言われている「新卒一括採用」。社会状況や学生の価値観など、取り巻く要素はめまぐるしく変化するものの、「各社がタイミングを合わせて新卒を採用する」という根幹部分にあまり大きな変化はない。こうした日本の就活について、数ある特徴の中から6つを抜粋してお伝えする。

1 やりたいことをやる就活

就活するタイミングになって初めて、自己分析や業界研究を始める日本の就活。これまでのキャリアや自分の専攻によって、就活に制限をかけることはほとんどしない。数多ある業界の中から、キャリアや専攻にとらわれない、自分が大切にしたいことを基準に就職活動できるのは、日本の就活の特徴の1つと言える。

2 ポテンシャル採用

やりたいことをやる就活ができるのは、今の実力よりも、今後の伸び代や取り組む姿勢を評価する習慣があるからだ。学生を即戦力として捉えている企業は少なく、育てて一人前にする感覚の企業は多い。

3 誰にも開かれているフェアな就活

誰でも申し込みができる、オープンなエントリーフォームを設ける企業が多い。コネクションが無いと、そもそもエントリーすらできない諸外国に比べると、かなりフェアな就活市場であることが分かる。誰にでも開かれているエントランスは、家柄や人脈ではなく、本人の経歴や実力で評価する文化の生んだ賜物だ。

4 短期のインターン

日本のインターンシップの多くが、1週間から1ヶ月以内の短期間で行われる。これまでのインターンシップは、学生が会社や事業内容について、理解するための意味合いが強かった。近年は優秀な人材の早期獲得を狙ったインターンシップも増えており、徐々に、学生と企業とのコネクションを醸成するための機会としての役割が大きくなっている。

5 没個性

同じ色のリクルートスーツに象徴されるように、個性的であるということが就活に置いて、有利に働くことはまだまだ多くない。やはり就活生は就活生らしい身なりで臨むのが一般的だ。髪型やファッション、メイクなど、自分なりのものがあってとしても、それらを表現するチャンスは少なく、往々にして個性が埋没されやすい状況である。

6 学業がおろそかに

大学に通う4年間、学業や研究に没頭する。こうした大学生の数は多くないだろう。大学生活の後半は、勉強よりも就職活動。そんな様相を呈している。企業が優秀な人材を確保しようと、早期に学生に接触するという流れが、大学生の本来の業務である学業をないがしろにさせる理由の1つだ。企業にとっても、学生にとっても、早い者勝ち感のある競争市場は、もはや構造上の特色とも言える。

アメリカの就活

言わずと知れた世界一の経済大国アメリカ。人種のサラダボウルと言われるほど、多様な人種や思想の人々が集まっている。自動車やコーヒーチャーン、飲食業などの伝統的な産業に加え、シリコンバレーをはじめとする革新的なIT企業も数多く存在する。そうしたアメリカの就職市場のベースになっているのは、日本の終身雇用文化とは相容れない、キャリアアップを念頭に置いた転職文化だ。就労&転職に関する考え方の違いから生まれた、日本とは異なるアメリカの特徴についてまとめた。

1 学歴重視

アメリカンドリーム。思想、信教、人種、性別、出身階級などによる差別が少なく、努力次第で、誰でも大きな夢を掴むことができるアメリカを象徴する言葉だ。就職市場もやはり実力社会、学歴重視の傾向が色濃い。その背景にあるのは、即戦力への期待だ。企業は学生に対して実力を求め、経験やスキルでそれを判断する。日本のベースとなっているポテンシャル採用の考え方とは、大きく異なる。実力があれば採用、無ければ不採用。シンプルで分かりやすい反面、少し冷酷さを感じてしまうのは、見込み採用が常態化している日本の就活市場の中にいるからだろうか。

2 就活シーズンはない

アメリカに就活シーズンはない。時期を問わず、企業は求人を行い、求職者はそれに応募する。これはアメリカの労働市場に、転職文化が根付いていることに大きく起因する。終身雇用の慣行がないアメリカ市場では、労働者は自分に合った環境を求めて、転職を繰り返すのは自然な行為。それに伴って発生した欠員に対して、企業側は求人を始める。終身雇用慣行が色濃く、毎年3月末に多くの定年退職者が発生する日本では、4月採用を念頭に置い就活シーズンは、あってしかるべきだが。突然発生する欠員に対して、人を募集するアメリカでは、そうしたシーズンはない。ポジションに空きが出れば、いつでも求人が始まり、応募できる。逆を言うと、空きが出ない場合は、応募することも難しいケースが多い。

3 働けるタイミングで就活

アメリカでは、自身がすぐに働ける状態になった時に、就職活動を行う習慣がある。日本のように、8月に内定をもらって、翌年の4月から働くというタイムラグは少なく、内定をもらった2週間から1ヶ月後に働き始めるケースが多い。したがって、多くの大学生は、大学を卒業後に就職活動をスタートさせる。従って、在学中は勉強や研究、学生生活に専念することができるのだ。中には、大学卒業後、すぐに就職活動せずに、ボランティア活動や旅に出る人もいる。こうした動きも、終身雇用制度ではなく、ポジションに空きが出たタイミングで求人を出す習慣があってこそ。

4 インターンシップの重要性が大きい

アメリカでは、スキルアップや人脈形成のために、インターンシップが活用されている。それも、高校・大学の長期休みを活用した長期のインターンシップに積極的に参加するケースが多い。企業の選考において、勉強だけでなく、実践的なスキル・知識が備わっているかを判断されるため、学生はインターンを通じて、そうした準備を積んでいく。また、優秀だと認められると、インターン先で内定をもらえるケースもあり、企業と学生のマッチングの機会にもなっている。

5 大企業志向が少なく、優秀な人は起業する

優秀な人材ほど、卒業後(あるいは在学中)に起業するのが、アメリカの大学生の特徴だ。特にシリコンバレーに近い地域では、大学後の進路として、会社を作るという選択肢が常態化している。これには2つの理由が存在する。金銭的な起業のリスクを抑えられる場合があるということと、起業経験が転職時にも有利に働くということだ。アメリカでは、

エンジェル投資家やVCと、起業家のマッチングの機会が多い。エンジェル投資家から投資を受けた起業家は、返済義務を負わず、失敗しても金銭的リスクが小さいケースが多い。また、転職文化が定着しているアメリカにおいて、自らが起業して、ビジネスを行なっていた人材ほど、即戦力として認識されやすい。起業は転職にも有利に働くのだ。積極的にチャレンジをして、世の中に革新をもたらす起業家がアメリカに多いのは、こうした起業家にとって快適な環境構造が影響していると言える。

根付く文化による違い

以上がアメリカの就活を取り巻く特徴の一部だ。日本の就活市場と大きく異なる点は、やはりそこに根付く転職文化から派生しているものが多い。ポジションが空き次第エントリーができる、見込みではなく即戦力を採用するなどの特徴は、終身雇用文化が根付く日本に置いては、なかなか定着しにくい慣習ではないだろうか。また、アメリカ的なワークスタイルとしては、政府が有給休暇を企業に義務付けていないこともあげられ、一部の企業では有給休暇をしっかりと確保していないケースもある。また、上司が帰るまでは帰れない、という年功序列的な風土も少なく、自由な雰囲気で仕事に取り組める環境であることも多い。今回は日本とアメリカの就活文化の違いを取り上げたが、今後も世界の就活市場に目を向け、日本の理想の就活スタイルについて、考えを深めていきたいと思う。

(17/6/5 秋吉直樹)

参考
https://careerpark.jp/112:キャリアパーク
https://acthouse.net/jobhunting/:act house cebu
http://news.mynavi.jp/articles/2016/01/04/careerenquete/:マイナビニュース
http://magazine.campus-web.jp/archives/343:Campus Magazine
http://toyokeizai.net/articles/-/14226:東洋経済オンライン

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