コラム

RNCラジオ 「人で見つけよう香川の仕事」
将基酪農 濱谷祐一郎さん

5月8日に西日本放送ラジオ「人で見つけよう香川の仕事」の第5回放送されました。このコーナーは香川ですてきに働く「人」をゲストにお呼びして、お仕事内容やきっかけ、やりがいなどを伺っています。実際に働く人のお話を紹介することで、香川での働き方の多様性を感じていただくと同時に、「この人と一緒に働きたい」や「この人のように働きたい」と感じるきっかけになれば嬉しいです。

「人で見つけよう香川の仕事」

日時:毎月第二火曜日 13:15〜(生放送)

パーソナリティ:亀谷 哲也(RNCアナウンサー)、熊谷富由美

レギュラーゲスト:人で見つける私の仕事 ヒトデ 代表 秋吉直樹

今回は将基酪農で仔牛を担当している濱谷さんと人事担当の三城さんににご出演いただきました。私達の身の回りにたくさんある乳製品。ですが、それを支える「酪農」という仕事についてはあまり知らないのではないでしょうか。そんな酪農の魅力や将基酪農で働く「楽しさ」・「大変さ」について伺いました。

一同 三城さん、濱谷さん、よろしくお願いいたします。

三城濱谷 よろしくお願いいたします。

亀谷 最初に伺いたいのが名前の由来ですが、どうして「将基酪農」なんでしょうか。

三城 5年ほど前までさぬき市長尾に牛舎があったんです。そこの地区が「将基」という地区で、そこからこの名前になりました。

亀谷 いい名前ですね。

三城 ありがとうございます。かっこいいですよね(笑)

熊谷 三城さんは総務をご担当されているんですね。

 はい。人事と総務事務系の仕事をさせてもらってます。

熊谷 本日のメインゲスト濱谷さんは、まさに酪農のお仕事をされていると。

濱谷 はい。日頃から牛を相手に仕事をしています。

亀谷 筋肉質でこんがり日焼けもされてますね。

濱谷 外で動き回る仕事なので、やはり日焼けはしますね。

熊谷 牛舎はどちらにあるんですか。

三城 高松市香川町です。塩江の手前です。

亀谷 聞いたところによると、四国で一番の大きさを誇る牛舎だそうですね。

濱谷 そうですね。私も初めて行った時は「こんなに大きい場所があったのか」とびっくりしました。香川県の酪農は小規模というイメージがあったので。

三城 大きな敷地なんですが、そんなに山奥でもないんです。高松空港も近いですし、車で5分ほど行ったところにコンビニもあります。

熊谷 牛は何頭くらいいるんでしょうか。

三城 今は白黒のホルスタインが780頭ほどです。

濱谷 仔牛は130〜140頭ほどいますね。

熊谷 そんなにいるんですね。仔牛は可愛いでしょう。

濱谷 可愛いですよ。それでもみなさんが思っているよりも大きいと思います。生まれた時から大型犬くらいはありますから。うちの場合は親牛の搾乳チームと仔牛チーム、それから堆肥を作って管理する3つのチームに別れています。私は仔牛チームに所属しているんです。

熊谷 私なら仔牛チームがいいなぁ(笑)

亀谷 どれも大切な仕事ですよ(笑)でもやっぱり生き物相手のお仕事ですから、大変なことも多いと思いますが、いかがですか。

濱谷 そうですね。仔牛の場合、身体は大きくても赤ちゃんですので、体調崩したり怪我したりっていうのは結構あるので、その部分は大変だと思いますね。

亀谷 私の勝手なイメージですが、酪農を仕事にする人にはしっかりとした意思が必要だと感じているんですが、濱谷さんはどんな思いで酪農の仕事を選んだんですか。

濱谷 もともと動物好きで、小さい頃から酪農に限らず、動物に携わる仕事がしたいなぁという思いがありました。そういう意味では、特に酪農に関する抵抗はありませんでしたね。

亀谷 昔から動物好きだったんですね。そうした勉強もされてこられたのでしょうか。

濱谷 大学では生物学を勉強していました。当時の専門は昆虫だったんですが(笑)

秋吉 会社の事務所で昆虫をたくさん飼っているという噂を聞きました(笑)

濱谷 クワガタムシを飼ってますね(笑)

亀谷 えぇ!?人事的にはOKですか。

三城 一応申請が来たので OK を出しました(笑)

濱谷 そうなんです。頼み込んでゲージを置かせてもらってます。

三城 今年はもう一個いいですかと追加の申請が来たのでそれも OK を出しました(笑)

熊谷 凄いですね。何匹くらいいるんですか。

濱谷 そんなに多くないですよ。大体30匹から50匹ぐらいですね。

一同 多いですよ(笑)

秋吉 社長と一緒にクワガタ採りに行ったというのも聞きましたよ。

濱谷 そうですね。社長から「連れてってくれ」って言われたので昼休みに行きました。

三城 あれは社長からのお願いだったんですね(笑)

熊谷 社長はおいくつくらいの方なんですか。

三城 60代ですね。社員は結構若い人が多くて、平均年齢は27才なんですよ。

秋吉 若いですね。確かに私が取材に伺った際も特に印象に残っているのは、若い女性の方がバリバリ仕事されている様子ですね。

熊谷 どうしてそうした若い人が将基酪農さんをお選びになったんでしょうか。

秋吉 私が取材した方は、合同説明会で三城さんに会ったのがきっかけだったと話していました。とても楽しそうに話す姿を見て「この人が働いている職場を見に行きたい」と思ったそうです。やはりそこでも人とのご縁があったんだなぁと感じましたね。

亀谷 やっぱり人なんですね。

熊谷 人は大事ですねぇ。もう少し具体的に仕事の内容についても伺っていいですか。

濱谷 私が担当する仔牛チームは、1日に2回、朝と夕方とミルクやるのがメインの仕事です。生まれたばかりの仔牛には哺乳瓶でチューチューと吸わせます。哺乳瓶は2Lのものを使って、一回あたり4〜5Lくらい飲ませますね。大きくなってきた仔牛には配合飼料や牧草を与えることもありますよ。

熊谷 仔牛って可愛いでしょ。

濱谷 可愛いですよ。性格も一頭一頭全然違います。積極的な子もいれば臆病な子もいます。人間と一緒ですね。

亀谷 実際に酪農のお仕事をされてみてどうですか。

濱谷 やっぱり楽しいですね。相手が生き物なので予想外のことが起きたりします。元気で大きくなった牛は柵を破って脱走したりします。そういうのをみんなで追っかけて「被疑者確保!」とか言いながら捕まえたりしてるんです(笑)普段のメインの仕事以外にも予想外のことが起きたりするのが楽しいですね。大変だけど、楽しいです。

亀谷 大変な仕事かもしれないですが、「好き」っていう気持ちがあるから楽しめるんでしょうね。お話を聞いているとすごく自由な社風のように思えるのですが、実際どんな雰囲気の会社なんですか。

濱谷 すごく自由度が高いですね。任されることが多いので、任されたらやっぱり気になるんです。そこに関しては責任感が出てきますね。

熊谷 若い人でも仕事を任せてもらえるとモチベーションが上がりますよね。

三城 そうですね。そうした工夫は意識してます。みんなが自分で考えて行動できるような仕組みを作って、やりがいを持ってもらえるようにしてますね。自分で考えて仕事ができた時の喜びをみんなに感じてもらいたいので、そういう働き方をしてもらえるように全社的に働き方改革に取り組んでいるところです。

亀谷 もちろん勤務時間を短くすることとかも大事ですけど、仕事にやりがいと責任感も持ちながらやれるってのが働き方改革のベースに必要ですよね。秋吉さんは取材をされてみて、将基酪農さんについてどうお感じになりましたか。

秋吉 一番印象に残っているのは、やっぱりみなさんが動物が好きってことですね。「大変だと思うこともあるけれど、動物が好きだから続けられる」とみなさん口々におっしゃってました。亀谷さんがおっしゃってたように、時間とかお給料などがホワイト企業の基準のように思われがちですけど、皆さんそういうところは抜きにして「牛が好きだ」という所がモチベーションに繋がっていたんですよね。きっとそうした気持ちの醸成が働き方改革の本質なんだろうなぁと、ラジオっぽいことを言ってみました(笑)

熊谷 最後にお二人から一言ずついただいて終わりにしようと思います。

濱谷 酪農って生き物を相手にしてるので、予想外のことが起こってとても楽しい仕事です。是非ちょっとでも「関わってみたいなぁ」と思ったら、まずは牧場に見に来ていただければと思います。そうするとすごくイメージが湧くと思うので、興味があったら牛を見に来てください。

三城 酪農はすごく特別な仕事というイメージが強くて、なかなか気軽に選択肢に入れてもらえないことが多いんですが、ぜひ仕事の1つとして考えていただけたら嬉しいです。牛好きだけでなく、クワガタ好きでもなんでも構いません。生き物にご興味ある方はぜひ牛舎を見学しにいらしてください。よろしくお願いいたします。

熊谷 牛舎の見学もできるんですね。少しでもご興味ある方はぜひ一度見学していただけたらと思います。それではお二人本日はありがとうございました。

一同 ありがとうございました。