有料記事

「行けると思ってなかった所まで行けるのが楽しいんです」
メロディ ・インターナショナル 杉村拓也さん

凝り性と違和感「誰もやったことがない」の楽しさここにいる訳リーダーが出来ない社長の魅力倍率100倍を勝てた理由自分が変わり続ける仕事違和感の正体世界を救う仲間ヒトコト求人情報

凝り性と違和感

「『アホちゃうか』って、友達からよく言われてたんですけど、僕には褒め言葉に聞こえてました(笑)」そう話すのはメロディ・インターナショナル(以下、メロディ)でエンジニアを務める杉村さん。小さい頃からこだわり始めると止まらなくなる性格。いわゆる凝り性。中でも、人がやったことが無いことには目がなかった。「RPGゲームで、主人公を1stステージで延々とレベル上げして、覚えられる技をほとんど習得させたりしてましたね(笑)本来想定されていないやり方を見つけたり、それはおかしいだろって言われたりする方が、逆に楽しかったりするんですよ」のめり込んだら、とことんやる。そこに「他人と同じようにやらないといけない」という、変な同調はない。自分が面白いと思ったことを突き進む。どこか信念めいたものがある。

まさに凝り性の特徴をそのまま表したような杉村さんに、少し違和感も感じていた。凝り性の人に多い、他人に耳を貸さない雰囲気や自分の世界を堆く積み上げている様子が全く無いのだ。異様なほどバランス感覚が良い。私の話にもきちんと耳を傾けてくれるし、絶妙な相槌もある。取材しているこっちが調子に乗って喋り出してしまいそうなほど。目の前で笑う凝り性は、私の知っているものとは全く違うそれだった。違和感の正体が知りたい。私の中で、これが今回の取材の裏テーマになっていた。そして、その答えは複雑なようで案外シンプルだった。杉村さんと会社の間。杉村さんと職場の仲間の間。それぞれの間をきちんと見つめることで、その答えが見えてきた。

「誰もやったことがない」の楽しさ

杉村さんが務めるメロディは、平成27年に設立されたベンチャー企業。「世界中のお母さんに、安心・安全な出産を!」という企業理念を基に、医療と健康をICTで支える事業に取り組んでいる。中でも力を入れて取り組んでいるのは、お母さんと赤ちゃんの健康管理プログラム「Melody i(メロディ・アイ)」これを使って赤ちゃんの心臓の音とお母さんのお腹の張りを計れば、わざわざ病院に行かなくても、赤ちゃんが元気かどうか判断できるだけでなく、その情報が自動的に病院まで送られるという。高齢出産の増加や産婦人科医師の減少が進む現代にとって、希望の光とも言える遠隔医療システムが、ここ高松で開発されていた。

作る前は『できるんだろうか?』って思ってたものが、実際にできた時は楽しいですよね」杉村さんに、仕事のやりがいを聞いた時だ。「誰もやったことが無いことに挑戦できるのは、やっぱり面白いです。まぁ、反面、誰もやり方を知らないので、色々調べながらやるのが大変なんですけどね。海外の文献とかを何日か調べて、結局『このやり方ではできません』って書いてあった時は一番辛いですね(笑)」誰もやったことが無いことへのやりがいと苦悩。そして、その先の達成感。きっと毎日がそんな感情でいっぱいなんだろう。そして、きっとそんな毎日が楽しいのだ。「辛い」と話す凝り性の顔にはそう書いてあった。

ここにいる訳

最近はベンチャー企業に就職する学生も増えていると聞くが、実のところ地方ではまだまだ珍しい。ふと杉村さんに聞いてみたくなった。“どうしてベンチャー企業に入ったんですか?”「当時からプログラミングが好きだったので、プログラミングが出来るところを探していたんです。医療系のシステム開発って、結構珍しかったので興味が湧いたのが最初ですね。特にベンチャーだからどうこうとは思わなかったです。仕事内容が楽しそうだったので、いいなぁと思ってました。大手だから良いってわけじゃなくて、大手でもつまらないところはつまらないと思うんですよ。最後は楽しそうって思えた方にしました」質問してから思い出していた。“あぁ、そうだ。この人はゲームも人とは違った楽しみ方をする人だった。みんなが大手だから自分も大手、とはならないか。”一貫して自分の楽しいを追求している。気持ち良いほどに。

「楽しそう」という感情の他にもう一つ。杉村さんがメロディを選んだ理由があった。尾形社長の存在だ。実は杉村さん、メロディで2社目。新卒で入社したのも、尾形社長が設立したベンチャー企業だった。1社目を大きく成長させた尾形社長が、新しい会社を立ち上げるタイミングで、一緒に移ってきた格好だ。「とってもフランクな方なので、会社自体が過ごしやすい雰囲気になるんです。それが僕には合ってると思いますね。それでいて先を見据える力だったり、周りの人を巻き込む力もある人なので、すごいなぁと思います」杉村さんがいくら「フランクな人」と言っても、やはり医療系のITベンチャー企業の社長さんだ。さぞかしバリバリの社長さんだと構えていた…のだが…

リーダーが出来ない社長の魅力

私、リーダーはできていないと思うんですよ、本当に。本来なら、みんなをまとめたりするのが大事だと思うんだけど、全然できてないし、根回しとかそういうの苦手だし。目標とか掲げて、体育会系に引っ張っていくのも向いてないし…。あ、でもね!運だけは良いのよ!みんなからもそう言われる(笑)」そう言って目の前で柔らかく笑うこの人こそ、尾形社長その人。フランクというより、壁が全くない。偉ぶる様子は微塵も見せずに、スッと心を開いてくれる。そんなお人柄だった。

会社を0から立ち上げ、成長させ、13年経営してきた手腕の持ち主だ。本人は謙遜しているが、きっと何か特別な力があるに違いないと、こんな質問をしてみた。“周りの人が、尾形社長についていきたいと思うのはどうしてでしょうか?”しばらく「えー」と考えてからポツリとこう切り出した。「多分みんな『この人だけじゃダメだ』って思うからじゃないですか。心配してくれてるんですよ、きっと。だから一生懸命サポートしてくれるんだと思います」またもすかし技にあったような感覚になる。気取りもへりくだりもない、そのままの言葉。そして、スタッフへの感謝の気持ちが滲み出ている言葉でもあった。

「リーダーもできてないし、しょっちゅうドジなこともするんですけど、私にはやりたいことがあるんですよね。そして、それを『できない』って思うことがないんです。『絶対にできる』って思ってます。それだけなんですよね。でも、それだけでよくここまで来れたなぁと自分でも思いますよ。本当にみんなに助けていただいて。だから、仲間は本当に大事にしたいなぁと思ってます」冗談交じりに「経営者向きじゃないのよ」とまで言った尾形さんの口から出てきた最後の言葉は、もっとも経営者に必要な素質を表す一言だろう。自分の実現したい世界を信じ切る力。全てはそこから始まるのだと思う。簡単そうに思えて、実はほとんどの人ができない。だからこそ、それができる尾形さんの周りには、今日もたくさんの信頼できる仲間が集まっている。

倍率100倍を勝てた理由

「第一印象は『線の細い子やなぁ』だったかな。それでも、僕は絶対に採用すべきだと思いましたね」そう話すのは、メロディでCMOを務める河野さん。杉村さんが新卒で入社する際、面接を担当した方だ。複数の有名企業のシステム開発から会社経営までの経験をお持ちの河野さんに、当時の杉村さんはどう映っていたのか。「一番良かった所は、礼節ですね。周りをよく見て、考えて動いてるなぁってのが分かったんですよ。システムが書けるってのは、当たり前で、プラスアルファの部分を見てたんです。変な話、技術面は後から育てることができるけど、性分はなかなか変わらない。仕事をする上ではその性分が大事なんです。だから、部屋の出入りや椅子の座り方とか全部見てました。あそこまで考えて行動できる子はなかなかいなかったので、倍率100倍くらいの中から採用したんです」意外だった。技術者の採用で、最も重視されていたのが、礼節。何十人もの技術者と一緒に仕事をしてきた河野さんだからこそ分かる、技術者に一番大切なスキルだ。そして、そうした厳しい目に留まったのが杉村さんだった。冒頭で感じたバランス感覚の良さは、こうした姿勢からくるのだろう。技術者集団でありながら、お互いを思う礼節を大切にする。そんな体質のメロディで、杉村さんのバランス感覚はより磨かれている。

自分が変わり続ける仕事

若いんですけど、妙に大人っぽいっていうか、一番冷静じゃないですかね」CIOを務める二ノ宮さんも、杉村さんの周りへの配慮に舌を巻いていた。「みんなでわーっと話している時も、彼が一番冷静だったりしますからね。状況を客観的に見れていて、びっくりしますね。私も意識してるつもりだけど、なかなかできないなぁ」

二ノ宮さんは、ベンチャー企業で働く面白さは「成長」にあると話してくれた。「毎日新しいことが起こるんですよ。色んな人や価値観に出会ったり、新たな壁に当たったり、とにかく楽しいことの連続です。ベンチャーっていうのは、自分が変わり続けることが仕事なんですよ。やったことないことばっかりなんで、大変なことも多いですが、その都度、自分が変化して成長を感じられる。どんどん刺激があって、どんどん成長するっていうのが面白い所ですよね」人は様々なものを通じて成長するが、多くの時間を共に過ごす仕事仲間から学ぶことは多いだろう。とりわけ、少数精鋭で同じ目標に向かって突き進むメロディは、それが色濃い。年齢や経歴での序列めいたものはなく、お互いにリスペクトを持って接しているのがよく分かる。

違和感の正体

「やっぱり、遠くまで行けるのが良いですよね」杉村さんが最近凝っているロードバイクの話だ。「スタート前は、行けると思ってなかった所にまで行けるのが楽しいんです。しかも、自分の力で。最近だと、ここから徳島に行きました。正直、行けるか分からなかったんですけど、やったみたら出来たんです。達成感ありましたよ」本人は恐らく気付いていないだろう。仕事のやりがいを聞いた時と、ほとんど同じ反応だった。出来ないと思っていたことが出来た時の喜び。これが、杉村さんの真ん中にある価値観だということがよく分かる。「でも、やりだすと、部品もアップグレードしたくなって、つい高い物を買っちゃうんですよね。こだわり出すと、お金がかかるっていうのが、ロードバイクの唯一の欠点です(笑)」そして、期待に違わず、しっかりと凝り性。なんだか本当に憎めない。

冒頭で感じた違和感の正体は、プログラミングという仕事とロードバイクの共通点を聞いた時に明らかになった。「基本はどっちも一人でやれることなんですが、みんなでやった方が、より楽しくなるって所が共通点ですね。一人で没頭することもできるんですけど、やっぱり仲間とコミュニケーションした方が、視野を拡げられたり、自分のできることが増えたりしますから」エンジニアという仕事は、よく職人に例えられる。自らの知識・技術を深めることに、こだわりを持って取り組む人が多いからだ。そこには「一方で人間関係は不器用」という意味が内包されていることも多い。しかし、杉村さんは違う。人との交流の中にこそ、自分の成長があると信じている。そして、何よりそのプロセスを楽しんでいる。初めて話す私との会話の中にも、無意識に成長のヒントを探して楽しんでいたのかもしれない。どうりで取材している側が話したくなる訳だ。

世界を救う仲間

最後に杉村さんに、これからメロディの仲間になるみなさんに向けてメッセージをいただいた。「新しいことにチャレンジするのが好きな人に、ぜひ来てもらいたいですね。誰もやってないことをやっていくので、勉強が必要なことも多いですけど、そういうのを進んでできる人がいいのかなぁと思います。あとは、遠慮せずにどんどん質問してくれる人がいいですね。そのほうが自分にも学びになるし」結局、最初から最後までこの調子。凝り性の杉村さんが一番こだわっているのは、プログラミングでもロードバイクでもない、「仲間との成長」なんだろう。成長のために学び合う仲間。そんな集団だからこそ、世界中のお母さんと赤ちゃんを救えるのかもしれない。

(2017/12/8 秋吉直樹)

ヒトコト

代表取締役社長の尾形さんからのヒトコト

障がい者

メロディはまだ立ち上げたばかりなので、取り組めていませんが、前の会社の時は、障がい者の就労を積極的に行ってました。技術力さえあれば、障害の有る無しは全く関係ないと思ってます。


LGBT

技術力があれば問題ありません。制服もありませんし、髪型、服装も自由ですので、働きやすいのではと思います。


外国人

事業もグローバルに行ってますので、垣根はないつもりです。前の会社でも、外国人を採用していました。グローバルに事業を行っていることもあり、英語の必要性を感じて、ネイティブの先生の英語レッスンも受けてます。


65歳以上

1人いらっしゃいます。大手でお勤めのご経験がある方で、技術力や経験を活かしていただいてます。毎日ではないですが、その方の希望に合わせて来ていただいてます。


子育て後の復職者

実績としてはまだありませんが、これから出産を予定している人がいて、復帰してもらいたいなぁと考えてます。大いに大歓迎です。


ブランクからの復職者

技術やスキルがあれば、問題ないです。全ての方に言えることですが、どんな人でも技術力があれば、全く問題ないですので、一度ご連絡いただけると嬉しいです。

ヒトコトとは?

メロディ・インターナショナル株式会社


所在地

香川県高松市林町2217番地44ネクスト香川304


募集職種

システムエンジニア


雇用形態

正社員 フルタイム


給与

基本給:200,000円~250,000

裁量労働手当:31,250円~40,000

上記合計:231,250円~290,000

賞与:年2回(6月、12月) 昇級:年1回(7月)

個人及び会社の業績に応じて決定

裁量労働手当は、みなし時間外20時間分として支給、超過時は別途支給


福利厚生

法定:雇用保険、健康保険、労災保険、厚生年金保険

法定外:家族手当 6,000円 通勤手当(規定により支給)

退職金積立制度(中退共制度適用)、社員持株会


仕事内容 

・スマホ、タブレット用アプリ及びWebアプリの開発など(要件定義、設計、開発、テスト、納品、運用、保守)
・データベース設計、構築
・サーバー設計、構築
・ネットワーク設計、構築
・その他これらに伴う業務


勤務地

香川県高松市林町2217番地44ネクスト香川304


勤務時間

A8:00-17:00  B8:30-17:30  C9:00-18:00

(休憩1時間)

※ご希望に合わせて勤務時間を考えさせていただきます。


休日休暇

土、日、祝、プレミアムフライデー、夏季、年末年始、育児・介護、慶弔、特別休暇制度整備


求める人

・主なプログラミング言語など:C#、C、java、php、javascript、HTML、PostgreSQL(その他の言語も大歓迎)
・WebサービスまたはWindowsアプリ、iOSアプリ、Androidアプリいずれかの開発経験者優遇
・英会話力歓迎


募集期間

随時


採用予定人数

1名


選考プロセス

まずは下のフォームからお問い合わせください➡︎書類選考➡︎筆記試験、面接(面接重視)➡︎合否決定


その他

試用期間:入社から3ヶ月間(条件同)

女性社員には出産、子育てに伴う時短社員制度有り。

子連れ出社歓迎。

Iターン、Uターンの方歓迎

LGBT不問(入居ビルのトイレは男女用のみ)

国籍不問(要日本語日常会話程度)

仲間となって一緒に頑張ってくれる方歓迎